これからアパート経営を始めたいと考えておられる方の中に、
「どこから手を付ければ良いのか?わからない!」
「どこに重点を置いて始めればよいのか?」
と悩んでおられる方はいませんか?
実は、アパート経営には、成功するための手順があります。
この記事では、大きく分けて次の6つについて詳しく解説します。
1.アパート経営の手順1:事前準備
2.アパート経営の手順2:アパート購入
3.アパート経営の手順3:アパート運営
4.アパート経営の手順4:アパート売却
5.アパート経営のメリット
6.アパート経営のリスクと対策
アパート経営の全体の手順を把握でき、準備することができます。
<目 次>
1.アパート経営の手順1:事前準備
アパート経営を始める手順1として、事前準備をしっかり整えることです。
事前準備をしっかり行いますと、成功する可能性が高くなります。
事前準備を疎かにしますと、失敗する可能性が高くなります。
事前準備として
・アパート経営の目的を明確化
・アパートの入居者層を明確化
・アパート経営の資金計画
・アパート経営に必要な知識武装
・アパート経営と他の不動産経営の違い
を明確にしておく重要性を解説します。
なお、動画にて視聴される場合、YouTube動画を掲載しましたので、よろしければご覧ください。
1-1.アパート経営の目的を明確化
先ずは、何のためにアパート経営をするのか?
目的を明確にしておく必要があります。
何故なら、アパート経営の目的によって、アパートの規模や投資額が異なるからです。
アパート経営の主な目的として
などが挙げられます。
ただし、節税対策のみを目的とするのはやめましょう!
あくまでも収益がプラスになるのが前提です。
1-2.アパートの入居者層を明確化
アパートを建築もしくは購入する場合、入居者層を明確化しておくことが大切です。
ターゲットとする入居者層ごとに、間取りや考慮点などが異なるからです。
1-2-1.入居者層の違いによる間取りの違い
入居者層を明確化することにより、立地、投資額、間取り、設備などが具体化できます。
逆に、立地から入居者層を明確化しても良いです。
1-2-2.アパートの主な間取り
下図は、アパートの主な間取りです。
1-2-3.アパートの家賃設定
家賃設定ですが、単身者向けとファミリー向けとでは㎡単価が異なり、単身者向けの方が㎡単価は高くなります。
単身者向けとファミリー向けの、家賃の㎡単価、設定家賃、間取りをまとめますと下表の通りです。
1-3.アパート経営の資金計画
アパート経営を検討する際、資金計画についての知識・スキルは重要です。
その習得度合いにより、アパート経営の成功・失敗に大きく影響します。
ここでは、
・アパート建築費用
・アパート建築時諸経費
・不動産投資ローン(アパートローン)
・キャッシュフロー(手残り額)
・不動産にかかる税金
について解説します。
1-3-1.アパート建築費用
アパートを新築する場合、建築工事費用は、下記の計算式で算出されます。
建築工事費 = 建築坪単価(円/坪) × 延床面積(坪)
建築坪単価は、建築構造により異なります。
住宅の建築構造別坪単価を下表にまとめます。(2020年統計値)
なお、住宅の構造別建築津美単価の推移につきましては、下記の記事をご覧ください。
【事例1】
木造アパートの延床面積が、90 坪の場合の建築工事費は?
建築工事費 = 90 坪 × 60万円/坪 = 5,400 万円
アパート1棟に要する建築費用もしくは購入価格は、
・新築物件か?中古物件か?
・都心物件か?地方物件か?
・建築構造:鉄筋コンクリート造、鉄骨造、木造
・間取り:1K、2LDK、3LDK
によっても異なります。
例えば、木造2階建て、間取り1K:25㎡、4戸~10戸のアパートを想定しますと、
・新築アパートの場合:2,500万円~6,300万円
・中古アパートの場合:1,400万円~3,500万円(築25年を想定)
となります。
ただし、中古アパートの場合、入居率が高い場合、価格は上がる傾向にあります。
なお、新築アパート経営の詳しい内容につきましては、下記の記事をご覧ください。
また、中古アパート経営の詳しい内容につきましては、下記の記事をご覧ください。
さらに、地方アパート経営の詳しい内容につきましては、下記の記事をご覧ください。
1-3-2.アパート建築時諸経費
アパート建築時には、様々な諸経費がかかります。
概ね建築工事費の7%~10%が別途必要になります。
それらをまとめますと、下表の通りです。
アパートを購入する場合、建築設計費の代わりに不動産会社への仲介手数料が必要になります。
仲介手数料 =(成約価格 × 3% + 6万円)× 1.1(消費税)
アパート建築時もしくは購入時の諸経費をまとめますと、下表の通りです。
1-3-3.不動産投資ローン(アパートローン)
不動産投資ローンは、金融機関から不動産投資物件に必要な資金を借りるローンです。
アパートローンは、アパートを新築する際に、金融機関から必要な資金を借りるローンです。
住宅ローンは、金融機関から自宅用として必要な資金を借りるローンです。
したがって、不動産投資ローンの中に、アパートローンや住宅ローンが含まれます。
また、
・アパートを購入する場合は、不動産投資ローン
・アパートを新築する場合は、アパートローン
となります。
1-3-3-1.ローンの種類
自己資金の持ち出し割合により、不動産投資ローンの種類は異なります。
下表に、ローン種類別ごとの自己資金と融資額の割合をまとめます。
一般的に、自己資金として、物件価格の10%~30%+諸経費を準備する必要があります。
ただし、金融機関によっては、様々な条件を鑑みて、フルローンやオーバーローンでの融資を出すところもあります。
1-3-3-2.ローン金利
金融機関により、金利や融資審査の厳しさは異なります。
融資申込者の
・属性
・担保力
・物件の事業性
について融資審査が行われ、融資額や金利、貸出期間などが決められます。
金融機関による金利と融資審査の目安を、年収別で下表にまとめます。
1-3-3-3.融資期間
融資期間は、建築構造の法定耐用年数と築年数により決まります。
新築アパートであれば、融資期間は30年~35年になる可能性が高くなります。
中古アパートであれば、法定耐用年数から築年数を差し引いた年数が、融資期間の目安となります。
中古アパート融資期間 = 耐用年数 ― 築年数
アパートの築年数による建築構造別融資期間を、下表にまとめます。
ただし、
・日本政策金融公庫
・ノンバンク
などの金融機関は、築年数が法定耐用年数を超えていても、融資するケースがあります。
なお、不動産投資ローンの詳しい内容につきましては、下記の記事をご覧ください。
1-3-4.キャッシュフロー(手残り額)
キャッシュフローは、家賃収入からローン返済額や必要経費を差し引いた手残り額です。
キャッシュフロー = 収入―支出
= 家賃収入―(必要経費+ローン返済額)
= 家賃収入―(必要経費+利息+元金)
支出の中で一番大きな金額となるのが、ローン返済額です。
1-3-4-1.キャッシュフローの割合
ローン返済額、必要経費、空室率を考慮したキャッシュフローの割合は、約20%です。
1-3-4-2.ローン返済比率
ローン返済比率は、毎月の家賃収入(満室時)に占めるローン返済額の割合です。
ローン返済比率を40%以下に抑えますと、アパート経営は安全圏に入ります。
ローン返済比率が60%以上になりますと、アパート経営は危険な状態になります。
ローン返済比率を抑えるために、
・自己資金の割合の増加
・繰り上げ返済による元金減少
などを行い、毎月のローン返済額を抑えることが、アパート経営を安定させます。
なお、キャッシュフローの詳しい内容につきましては、下記の記事をご覧ください。
1-3-5.必要経費
アパート経営において、毎月必要経費が発生します。
必要経費の割合は、家賃収入の約20%になります。
1-3-6.アパート経営にかかる税金
アパート経営にかかる税金を、
・購入時
・運営時
・売却時
に分けてまとめますと下表の通りです。
1-4.アパート経営に必要な知識武装
アパート経営には、不動産知識や建築知識、税金知識など、様々な知識が必要になります。
アパート経営を成功に導くためには、それらの知識を習得する必要があります。
アパート経営に資格は不要ですが、資格を有しますと、知識武装されトラブルにも対処し易くなります。
おすすめの資格として、
・宅地建物取引士(国家資格)
・賃貸不動産経営管理士(国家資格)
・不動産実務検定(民間資格)
・ホームインスペクター(民間資格)
などがあります。
なお、アパート経営に役立つ資格については、下記の記事をご覧ください。
1-5.アパート経営と他の不動産経営との違い
アパート以外の不動産投資として
・マンション(1棟)
・区分ワンルーム(1戸)
・戸建て賃貸
・駐車場(青空)
・商業系施設
・オフィスビル
・コインランドリー
・トランクルーム
・医療系施設
・介護系施設
・太陽光発電
などがあります。
それらを、収益性・節税効果・リスク・手軽さという指標で比較しますと、下表の通りです。
なお、アパート経営とマンション経営の違いについては、下記の記事をご覧ください。
また、不動産経営と不動産投資の違いについては、下記の記事をご覧ください。
さらに、土地活用の種類と活用については、下記の記事をご覧ください。
2.アパート経営の手順2:アパート購入
アパート経営において、アパート購入における物件探しは、最重要項目となります。
物件の選択により、アパート経営の成功・失敗が80%以上の割合で決定するといっても過言ではありません。
アパート購入後に、物件を訂正できないからです。
2-1.アパート購入:物件探しの優先順位
アパート購入における物件探しの優先順位は、
・筆者の不動産投資の経験
・大家仲間との意見交換
・成功大家のブログ
を鑑みまして、以下と通りです。
2-1-1.優先順位1位:立地
アパート購入における物件探しの優先順位1位は、立地です。
立地を間違えますと、取り返しのつかない事態となります。
なぜなら、空室問題・家賃下落問題に直結するからです。
2-1-1-1.人口20万人以上の都市から選択(※1)
入居候補者が、見込める地域を要するため、最低限の母数が必要になります。
2021年10月時点で、人口20万人以上の都市は、全国で129都市あります。(※1)
人口20万人以上は、あくまでも目安ですが、
・将来の人口増加率
・減少率
も併せて見極めての立地選択が重要です。
2-1-1-2.最寄り駅から徒歩15分以内(※2)
最寄り駅から徒歩15分以内、できれば徒歩10分以内の立地が良いです。
最寄り駅も
・人気路線
・快速や特急の停車駅
ならば、なお良いです。
LIFULL HOME’Sの「見える!賃貸経営」によりますと、入居者ニーズは、最寄り駅から徒歩15分を超えますと、極端に下がる傾向にあります。(※2)
最寄り駅から、さらにバスに乗車する必要がある立地は、強力な差別化ポイントが無い限り、避けた方が賢明です。
2-1-1-3.周辺環境
生活利便施設がアパート立地近くにあり、
・買い物が便利
・病院が近くにある
・公園が近くにある
などの環境が整いますと、入居者は喜びます。
一方、
・治安が悪い
・工場が密集し、騒音・悪臭がする
・倉庫が密集し、大型トラックが頻繁に往来
などの地域は、入居者は敬遠します。
物件の選択は、必ず現地に行き、周辺環境も自身の目で確認することが大切です。
2-1-1-4.災害発生地域は避ける
災害発生の高い地域は、避けるできです。
自治体が作成したハザードマップなどを確認して調べます。
例えば、
・地震による津波発生地域
・台風による高潮発生地域
・大雨による河川洪水発生地域
などです。
万が一、災害に見舞われた場合、アパート経営の根幹に関わる事態となります。
2-1-2.優先順位2位:築年数・購入価格
アパート購入における物件探しの優先順位2位は、購入価格・築年数です。
購入価格・築年数は、金融機関融資や利回りに影響します。
また、出口戦略にも影響します。
2-1-2-1.築年数と価格の関係(※3)
公益社団法人東日本不動産流通機構による
「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2018年)」
の報告書の中に、
「中古マンションの築年帯別平均価格」
のデータがあります。(※3)
中古区分マンションは、年数経過とともに価格が下がります。
下図:中古マンションの築年帯別平均㎡単価
(出所:公益財団法人東日本流通機構)※3
アパートの築年数と価格の関係は、必ずしもこの通りではありませんが、同様な傾向となります。
2-1-2-2.築年数と金融機関・金利・利回りの関係
どの価格帯・築年数を狙うかは、単純に決められません。
アパートの構造と融資期間、金利の違い、利回りによって違います。
それらを簡略化しますと、下表になります。
2-1-2-3.筆者の購入・売却(出口)戦略
筆者は、購入と売却をセットで計画します。
築20年過ぎのアパートを購入し、築30年過ぎで売却します。
それを繰り返します。
購入する際に、売却すること(出口戦略)を既に考慮しています。
インカムゲイン(家賃収入)がプラスになるのは当然として、キャピタルゲイン(売買差益)でもプラスを狙います。
アパート経営の判定(目安)
築年数が経過するとともにアパート価格が下がる環境下において、容易なことではありません。
しかし、所有する約10年間の仕込みにより、
・インカムゲイン :プラス
・キャピタルゲイン:プラス
は可能になります。
出口戦略を成功させるには、利回りと管理(入居者管理・建物管理)が鍵となります。
詳細は後述します。
2-1-3.優先順位3位:利回り
アパート購入における物件探しの優先順位3位は、利回りです。
利回りは、儲けに影響します。
2-1-3-1.表面利回り・実質利回り・ROI(投資収益率)
代表的な利回りとして、
・表面利回り
・実質利回り
・ROI(投資収益率)
があります。
投資物件情報の大半は、表面利回りです。
表面利回り・実質利回り・ROIの算出式を下記に挙げます。
表面利回り = 満室賃料 ÷ 物件購入価格 × 100(%)
実質利回り =(満室賃料 ― 必要経費)÷(物件購入価格 + 購入時諸経費)× 100(%)
表面利回りと実質利回りの違いは、必要経費と購入時諸経費の有無です。
ROI =(満室賃料 ― 必要経費 ― ローン返済額)÷(物件購入価格 + 購入時諸経費)× 100(%)
実質利回りとROIの違いは、ローン返済額の有無です。
ただし、どの計算式も満室賃料で計算されています。
実際には、満室状態が続くことはあり得ません。
そこで、実質利回りとROIについて、空室率を加味した計算式を挙げます。
実質利回り =(満室賃料 ― 必要経費)÷(物件購入価格 + 購入時諸経費)×(100 ― 空室率)(%)
ROI =(満室賃料 ― 必要経費 ― ローン返済額)÷(物件購入価格 + 購入時諸経費)×(100 - 空室率)(%)
空室率 =(空室戸数 × 空室月数)÷(全戸数 × 12か月)× 100(%)
金融機関の融資審査において、空室率を加味したROIの計算式を採用しているところが多いです。
ちなみに、
・空室率:20%
・現行金利+2%
の条件で入力した計算結果が、プラスになるか否かを見ています。
なお、利回りの詳しい内容につきましては、下記の記事をご覧ください。
2-1-3-2.筆者の利回り戦略
大都市部と大都市郊外と地方都市とでは、購入価格が異なるため、確保しなければならない利回りを一概にいうことはできません。
しかし、あえて目安となる利回りを出します。
筆者の
・アパート経営の経験
・大家仲間との情報交換
・成功大家のブログ調査
の中で出てきた、アパート経営初心者が目指す利回りは、下表の通りです。
また、投資家が目指すべき利回りは、下表の通りです。
ご批判をいただくのを覚悟の上で、掲載しました。
上表に掲載した「初心者が目指すべき利回り」を確保できないようであれば、アパート経営は厳しいです。
大家仲間の中には、もっと厳しく設定されている方もおられます。
2-1-3-3.利回りによる物件探し
大都市郊外のアパート探しをしてみます。
上表より、初心者が目指すべき利回りは、
・表面利回り:101%以上
・実質利回り:7.0%以上
・ROI :2.0%以上
となります。
投資判断のための利回りの使い方ですが、物件候補選択などに使うのが、表面利回り・実質利回りです。
最初に不動産物件に対する検索機能の付いた
・「楽待」(※4)
・「健美家」(※5)
・「LIFULL HOME’S」(※6)
などのWEBサイトから「表面利回り」にて、例えば11%以上と入力し、物件候補を数十件ほど抽出します。
この段階で、大まかに立地・価格・築年数を点検し、該当しないものは外します。
そこから「実質利回り」にて絞り込みをします。
実質利回りの計算式の中で、必要経費の目安は、
・アパートの場合、満室賃料の約20%
・EV付マンションの場合、満室賃料の約25%
です。
購入時諸経費は、アパート・マンション購入価格の約7%前後です。
次の「実質利回り概算式」で計算した結果が、7%以上の物件であれば残します。
実質利回り ={満室賃料 ×(100 - 20%)}÷{物件購入価格 ×(100 + 7%)}× 100(%)
残った物件を最終的にROIで比較します。
ローン返済額は、金利、借入期間、自己資金投入額により違います。
それらの条件を変えながら、シミュレーションし、比較検討します。
ROIの目安は、2.0%以上です。
2.0%に満たなければ、その物件を除外するか、
・自己資金の増額
・金利のさらに安い金融機関の選択
・返済期間の延長
などを調整して2.0%以上を確保します。
また、この段階でも最終的に立地・価格・築年数を再点検し、検討し直します。
ここまで絞り込みますと、空室が数戸出ても、経営が耐えられるアパートになります。
ROIの特徴は、
・建築構造
・購入金額
の異なる物件を比較検討できる点です。
以上をまとめますと、
2-1-4.優先順位4位:設備・器具
アパート購入における物件探しの優先順位4位は、設備・器具です。
設備・器具は、入居率に影響します。
「全国賃貸住宅新聞」が、
「この設備があれば周辺相場より家賃が高くても入居が決まる」ランキング
を毎年実施しています。
その中で「インターネット無料」が、単身者向け・ファミリー向けともに、2016年から2021年にかけて6年連続1位を獲得しました。
それだけアパート・マンションの入居率向上にとって、「インターネット無料」は、必須アイテムになっています。(※7)
2-1-4-1.単身者向け設備ランキング
「全国賃貸住宅新聞」が発表した、2019年から2021年までの3年間における、単身者向け「この設備があれば周辺相場より家賃が高くても入居が決まる」ランキングを下表にまとめます。
単身者向けランキング(出所:全国賃貸住宅新聞)※7
2-1-4-2.ファミリー向け設備ランキング
「全国賃貸住宅新聞」が発表した、2019年から2021年までの3年間における、ファミリー向け「この設備があれば周辺相場より家賃が高くても入居が決まる」ランキングを下表にまとめます。
ファミリー向けランキング(出所:全国賃貸住宅新聞)※7
最近の動向としましては、「宅配ボックス」が上位に上がっています。
なお、インターネット無料の詳しい内容につきましては、下記の記事をご覧ください。
2-2.アパート購入:不動産会社の選択方法
アパート購入の場合、仲介をする不動産会社の選択は、非常に重要です。
2-2-1.不動産ポータルサイトから選択
「2-1-3-2.利回りによる物件探し」でも触れましたが、
・「楽待」(※4)
・「健美家」(※5)
・「LIFULL HOME’S」(※6)
などの不動産ポータルサイトから、物件と不動産会社を探す方法があります。
無料で資料請求することができますので、利用してみましょう。
気に入った物件があれば、物件情報を掲載している不動産会社に対して、
・物件の詳しい資料請求
・不動産会社の情報請求
などが、Webサイト上で可能です。
2-2-2.地元の不動産会社を開拓
購入したい立地の周辺で営業している不動産会社を当たります。
特に、独自の顧客を開拓して多数抱えている不動産会社には、有望な物件が少なからず存在します。
その中には、まだ表に出ていない(広告案内していない)物件もあります。
お宝物件は、その様な中に潜んでいることも、少なからずあります。
・インカムゲイン (家賃収入)
・キャピタルゲイン(売買差益)
の両方をもたらしてくれる物件を、根気よく探し続ける努力が必要です。
2-2-3.不動産会社選びのチェックポイント
武蔵コーポレーションの大竹義武氏が、著書
「「アパート事業」による資産形成入門」
の中で、
「不動産会社選びのチェックポイント」
を掲載しています。
筆者は、「これは良い」と感じましたので引用します。
不動産会社選びのチェックポイント
□ 物件の事情を理解しているか
(売主の属性・売却理由・家賃設定・大規模修繕履歴・入居者属性など)
□ 現地を見て紹介しているか
□ 物件周辺の土地勘を持っているか
□ メリットのみでなく、デメリット(リスク)も説明しているか
□ 担当者自身に不動産投資の経験があるか
□ 販売後の賃貸管理を行っているか
□ 違法な取引(二重契約など)を持ちかけてこないか
□ 地方銀行、信用金庫との取引(自社借入)があるか
□ 専門家(税理士、弁護士、建築士)を抱えているか
□ 「お客様の声」をホームページなどに掲載しているか
2-3.アパート建築:建築会社の選択方法
アパート建築の場合、建築目的や予算に応じた建築計画を立案する建築会社の選択が、非常に重要です。
アパート建築会社は、少なくとも3社以上から提案資料を取り寄せ、比較検討することが大切です。
2-3-1.土地活用ポータルサイトから選択
土地活用ポータルサイトからアパート建築会社を選択する方法があります。
全国の優良企業の中から、あなたの土地に最適なアパート・マンションなどの活用方法を一括提案できるサービスです。
土地活用ポータルサイトを利用するメリットとしては、
などです。
筆者のおすすめする土地活用ポータルサイトは、
【タウンライフ土地活用(アパート経営特集)】
です。
あなたが所有する土地の情報を入力するだけで、後日メールなどの連絡が入り、アパート・マンションなどの企画書・設計書・見積書などが送られてきます。
筆者もアパートの新築を検討する際、このポータルサイトを利用しました。
ハウスメーカーや工務店などの6社から提案書を受けることができ、比較検討した上で業者を決定しました。
2-3-2.アパート建築計画の注意点
業者との打ち合わせをするにあたり、事前にある程度決めておかなければならない点があります。
・建築目的:収益アップ、相続税対策など
・予算:自己資金(頭金)をいくら準備できるか
・ターゲットとする入居者層:建築会社に市場調査を依頼しても良いです。
建築目的から、アパートの規模を想定することができますが、予算によっては規模を縮小せざるを得ない場合があります。
様々なシミュレーションをその場で提案できる建築会社を選ぶことができますと、建築目的や予算に応じた的確な建築計画の提案を迅速に受けることができます。
3.アパート経営の手順3:アパート運営
アパートを購入もしくは建築した後は、いよいよアパートの運営になります。
運営するにあたり、管理方式を決める必要があります。
3-1.管理方式
アパートの管理方式には、
・自主管理
・管理委託
・一括借り上げ
があります。
3-1-1.自主管理・管理委託・一括借り上げの違い
自主管理、管理委託、一括借り上げの違いを下表にまとめます。
筆者のおすすめは、自主管理です。
アパート経営能力を一番養えるからです。
本気でアパート経営に取り組みたいなら、自主管理をし、入居者管理・建物管理を徹底されることをおすすめいたします。
アパート経営開始2年間は、トラブルが続き、大変です。
しかし、3年を経過しますと、入居者も落ち着き、ほとんど手間がかからなくなります。
管理費も支払わなくて済みます。
自主管理ができますと、キャピタルゲイン(売買差益)をプラスにする仕込みができるようになります。
また、空室問題、家賃滞納問題、入居者トラブルなどのリスクを克服できるスキルが身に付きます。
結果として、リスクを買えるようになり、お宝物件を手に入れることができます。
本業があり、自主管理がどうしても無理な場合、「管理委託」をおすすめします。
しかし、「一括借り上げ」は、おすすめしません。
3-1-2.一括借り上げのメリット・デメリット
「一括借り上げ」のメリット・デメリットを下表にまとめます。
「一括借り上げ」は、大家が、一括借り上げ会社にアパート経営を丸投げします。
大家は、現在の
・入居率
・入居者状況
・建物・設備の不具合
などを全く把握しない様になります。
一括借り上げ会社は、大家がアパート経営について何もわからない状態のままにしておくことで、言いなりにすることができます。
それが、一括借り上げ会社の狙い(本音)です。
こうしてアパート経営の初心者の中で、煩わしいことに触れたくない大家が、「一括借り上げ」の餌食になります。
逆にアパート経営成功者は、
・入居者とのコミュニケーションを大切にする
・建物・設備を自ら点検・確認
することで、アパート経営能力を培っています。
「一括借り上げ」を採用した時点で、アパート経営の成功はあり得ないといえます。
理由は、アパート経営能力を培っていない大家は、成功者とはいえないからです。
また、筆者の知る限り、アパート経営の成功者の中に、一括借り上げを採用している大家はいません。
3-2.建物の維持管理
建物の維持管理は、規模により、
・大規模修繕工事
・中規模修繕工事
・小規模修繕工事
に分けられます。
3-2-1.大規模修繕工事
建物工事では、
・屋根の張替
・防水工事
・外壁のタイル張替・塗装工事
・共用廊下・階段の塗装工事
・防水工事
などです。
機械設備工事は、
・エレベーター
・受水槽・水道管の水回り
・浄化槽・下水管・雨水管の排水回り
の補修・交換工事などです。
3-2-2.中規模修繕工事
建物工事では、
・建物外壁・共用廊下・階段のひび割れ補修
・防水補修工事
・照明器具の交換
・消防設備の保守・点検・交換
などです。
入居者の退去に伴い、
・エアコン・給湯器などの機械設備の交換
・天井・壁・クロスの張替工事
・キッチン・洗面・トイレ・ユニットバスの水回りの補修・交換工事
などです。
3-2-3.小規模修繕工事
建物では、
・エントランス
・共用廊下
・階段
の照明の蛍光灯やLEDの交換
などです。
また、入居者の退去に伴い、
・ドアノブ交換
・換気扇の補修
・水道蛇口の調整
などです。
なお、アパート修繕工事の詳しい内容につきましては、下記の記事をご覧ください。
3-3.確定申告
アパート経営による不動産所得は、確定申告をする必要があります。
3-3-1.青色申告・白色申告
確定申告をする上で、青色申告にするか白色申告にするかを決める必要があります。
特典の多い青色申告がおすすめです。
青色申告と白色申告の違いを下表にまとめます。
3-3-2.アパート経営の所得税の計算手順
所得税・住民税・事業税の計算手順と計算式を下表にまとめます。
なお、アパート経営における確定申告の詳しい内容につきましては、下記の記事をご覧ください。
3-4.サポートチームの形成
アパート経営にとって、サポートチームの形成は重要です。
具体的なサポートチームに入れるべき職種を下表にまとめます。
なお、サポートチーム形成の詳しい内容につきましては、下記の記事をご覧ください。
アパート運営の詳しい内容につきましては、下記の記事をご覧ください。
4.アパート経営の手順4:アパート売却
アパートを購入する時点で、5年~10年後に売却することが可能か否かを考慮しておくことが大切です。
4-1.売却(出口)戦略
売却理由は、
・アパートを長期間所有することによる「修繕費の増加」
・老朽化による「入居者の減少」
などのリスクが生じるからです。
筆者が、アパート購入する場合、築20年~25年の物件を狙います。
価格が、落ちるところまで落ち、下げ止まるからです。
所有期間は、5年~10年です。
5年を過ぎますと、譲渡所得税が約半分になります。
築30年~35年になりましたら、売却します。
この所有期間中に、下記のことを行います。
・入居者とのコミュニケーションを積極的に図り、長期入居へと導く
・エアコン、給湯器などが故障した場合、2日以内で新規交換
・入退去時、壁・床や設備(エアコン・給湯器)などを少しずつ新規交換し修繕を図る
・近隣の不動産会社とのコミュニケーションを積極的に図り、優先的に入居者付けへと導く
・入居者が決定した場合、不動産会社の担当者に対して、
・別途ボーナス支給
もしくは、
・飲食の場を設定
などを行い、入居者付けの労力をねぎらう。
以上により、
・入居者の長期入居
・不動産会社による優先的入居者付け
を図り、
・高入居率の維持
・家賃下落の阻止
を行います。
筆者は、全ての入居者にスマホの番号を教えています。
何か、入居者サイドで不具合が生じた場合、1日以内で大半のことを解決するように努めています。
入居者にストレスを感じさせる時間を、できる限り短くするためです。
できていない大家は、入居者からクレームなどの問合せがあると、入居者以上にストレスを感じ、問題を先送りしようとします。
入居者は益々ストレスを感じ、最悪の場合、退去となります。
それは、アパート経営の失敗を意味しますが、その様なことにすら気づいていない大家が多数います。
したがって、アパート経営に対する姿勢の悪い大家は、淘汰されます。
4-2.売却事例
筆者の所有するアパートは、大都市郊外にあります。
「2-1-3-2.筆者の利回り戦略」に掲載した表により、
・表面利回り:11%以上
・実質利回り:8.5%以上
・ROI:3.5%以上
に設定して物件探しを行います。
しかし、筆者自身が物件探しを行う場合には、もっと厳しく設定します。
【事例2】
鉄骨造アパート:1R・12戸、築22年、表面利回り:15%で購入しました。
その後、入居者管理・建物管理を11年間行い、家賃の下落を年間30万円減収に抑えました。
築33年、表面利回り:12%で売却できました。
キャピタルゲインの確保
キャピタルゲインを+500万円確保できた要因は、
①高利回りアパートを購入できたこと
→ 日頃の不動産会社に対する営業成果
②家賃下落を最小限に抑えたこと
→ 日頃の入居者管理・建物管理の成果
によります。
15年間の現場重視の活動が、実を結んだ結果です。
他にも数棟のアパートを同様に運営しております。
5.アパート経営のメリット
5-1.メリット1:節税対策
アパート経営は、
・相続税対策
・所得税対策
・固定資産税・都市計画税対策
に有効です。
5-1-1.相続税対策
相続税は、土地・建物の場合、それぞれの相続税評価額に課税されます。
相続税評価額は、固定資産税評価額と連動します。
平成初期のバブル経済崩壊以降、土地・建物の評価額が下がり続け、2015年に相続税の税制改正がありました。
基礎控除額が、4割引き下げられる改正により、相続税納税対象者が倍増しました。
ただし、実質的な増税になったとはいえ、アパートの建築もしくは購入による相続税対策効果は大です。
相続税 = (財産評価額 - 基礎控除額) × 相続税率
基礎控除額 = 3,000万円 + 600万円 × 法定相続人
【事例3】
あるサラリーマンが、
・現金:5,000万円
・時価:5,000万円相当の未使用地(更地)
を所有しています。
相続人が、妻、子供:2人の計3人の場合、相続税額は?
<現状の相続税額>
相続税評価額 = 5,000万円(現金)+ 5,000万円(更地)
= 1億円
となり、相続税評価額は、100%評価となります。
相続人が3人いれば、基礎控除額は4,800万円となりますので、相続税評価額は、5,200万円です。
基礎控除額 = 3,000万円+600万円×3人
= 4,800万円
相続税評価額 = 1億円 ー 4,800万円
= 5,200万円
5,200万円の場合、税率:30%、控除額700万円となりますので、相続税額は860万円です。
相続税 = 5,200万円 × 30% ー 700万円
= 860万円
<アパート建築した場合の相続税額>
相続税対策として、現金5,000万円を利用し、木造アパートを新築しますと、相続税評価額は、
=土地の場合=
相続税評価額 = 路線価評価額 ×(100%-借地権割合×借家兼割合×賃貸割合)
=(5,000万円×80%)×(100%-60%×30%×100%)
= 3,280万円(更地の65.6%の評価)
=建物の場合=(アパートが満室の場合)
相続税評価額 = 固定資産税評価額 ×(100%-借家兼割合×賃貸割合)
=(5,000万円×40%)×(100%-30%×100%)
= 1,400万円(28%の評価額)
アパートの土地・建物の相続税評価額は、
3,280万円 + 1,400万円 = 4,680万円
1億円の相続税評価額が、4,680万円まで落とすことができ、約46.8%の圧縮効果となりました。
実際の相続税額は、4,680万円に対して、基礎控除額が差し引かれた後に税率が乗じられ算出されます。相続人が3人いれば、基礎控除額は4,800万円となりますので、相続税は、―120万円です。
相続税 = 4,680万円 ー 4,800万円
= ー120万円
したがって、相続税はゼロです。
アパート建築による相続税対策は、建物の相続税評価額の下落率が非常に大きくなることがポイントとなります。
なお、相続税対策の詳しい内容につきましては、下記の記事をご覧ください。
5-1-2.所得税対策
実際のキャッシュフロー(手残り額)がプラスでも、不動産所得を課税上マイナスにすることができます。
家賃収入を不動産所得として計上しますが、
・青色申告特別控除
・必要経費
・減価償却費
などを差し引くことができ、マイナスにすることができるという仕組みです。
所得税には「損益通算」といい、不動産所得の課税上マイナス分を
・給与所得
・事業所得
などの他の所得から差し引くことができます。
なお、所得税対策の詳しい内容につきましては、下記の記事をご覧ください。
また、法人化による所得税対策の詳しい内容につきましては、下記の記事をご覧ください。
5-1-3.固定資産税・都市計画税対策
土地・建物の所有者に対して、固定資産税・都市計画税が課せられます。
しかし、建物が住宅(戸建て住宅、共同住宅など)の場合、住宅用地特例率(軽減率)を利用することができます。
固定資産税の場合、住宅1戸につき敷地200㎡までは、固定資産税が更地の場合の6分の1になります。
1戸につき200㎡を超える部分は、3分の1になります。
都市計画税は、固定資産税評価額を基にして算出されます。
住宅1戸につき敷地200㎡までは、都市計画税が更地の場合の3分の1になります。
1戸につき200㎡を超える部分は、3分の2になります。
それらをまとめますと下表の通りです。
なお、固定資産税・都市計画税対策の詳しい内容につきましては、下記の記事をご覧ください。
5-2.メリット2:収入増加
高入居率を維持することが前提となりますが、安定した収入を得ることができます。
【事例4】
5,000万円の中古アパートを購入した場合、
・購入時諸経費:350万円(購入価格の7%)
・年間家賃収入:550万円(表面利回り:11%)
・年間必要経費:110万円(家賃収入の20%)
・ローン返済額:253万円(ローン返済比率:46%)
の場合、
・キャッシュフロー(手残り額):187万円(34%)(ROI:3.50%)
となります。
他の投資法(株式投資、投資信託など)では、金融商品を担保に金融機関から融資を受けて投資をすることはできません。
アパート経営は、土地・建物を担保として、金融機関から融資を受けて投資することができます。
いわゆる「レバレッジ効果」です。
投資額の大半をローンで賄い、返済しながら、ROI(投資収益率)を3%前後発揮できるのは、アパート経営の強みです。
5-3.メリット3:生命保険の代用
団体信用生命保険(団信)は、ローン返済中に、契約者が
・死亡
・高度障害者
になった場合、契約者に代わり保険会社がアパートローン残債を完済する保険です。
ローン契約する際に保険会社に加入します。
保険が適用されれば、事実上無借金状態になり、家賃収入はそのまま遺族もしくは家族に入ります。
しかし、団体信用生命保険に加入しますと、金利は通常よりも若干(0.2%前後)高くなります。
5-4.メリット4:不労所得
アパート経営の場合、一般的に4戸~10戸を有するアパートが多くなります。
一方、区分ワンルームマンション経営の場合、1戸所有するオーナーが多くなります。
空室が出た場合、アパートの場合ですと、他にも入居部屋があり、家賃収入はゼロになりません。
区分ワンルームマンションの場合、空室になると家賃収入はゼロになります。
経営的には、アパート経営の方が安定します。
また、自主管理ではなく、管理会社に管理委託をしますと、入退去の処理を全て行います。
管理費用は、必要になりますが、入退去の煩わしい手続きを代行してくれますので、時間を取られる心配はありません。
アパート経営が、不労所得になり得る所以です。
6.アパート経営のリスクと対策
6-1.空室・家賃下落リスク
空室は様々な原因で生じます。その主な原因は、
①立地が悪い → 駅から徒歩15分以上かかる立地や、周辺環境が悪いなど
②入居者管理の悪い状態が、続きますと、
・入居者の要望を無視
・入居者とコミュニケーション不足
・入居者のストレスの増大
→ 入居者転居 → 空室
③建物・設備管理が悪い → 劣化・損傷の修繕や掃除をしない
④家賃設定が高い → 周辺の競合物件と比較して家賃が高く、入居しない
②~④は、後からでも改善できますが、①は改善できませんので、致命的となります。
空室が多く長期化しますと、
・家賃設定を下げる
・ローン返済に支障をきたす
などの事態になります。
最悪の場合には、自己資金から補填をしないといけなくなります。
それらを防ぐためにも、空室問題に対しては、最大限の努力を注ぐ必要があります。
空室問題を克服できるか否かが、アパート経営を成功するか否かの分岐点ともなります。
「できる大家」の一番の腕の見せ所となります。
6-2.家賃滞納リスク
アパート経営の最大のデメリットは、家賃滞納です。
これは空室よりも厄介な状態です。
部屋を使用されて入居者が家賃を払わないのですから、大家の精神状態にも大袈裟ではなく支障をきたします。
対策として、司法書士や弁護士に依頼して法的に解決する方法がありますが、多額の経費を要します。
6-3.建物老朽化リスク
建物の経年劣化は、避けられません。
老朽化した建物を維持せず、劣化・損傷したままにしますと、
・入居者の減少 → 空室率増大
・家賃下落 → 収入減少
に繋がります。
また、放置する期間が長くなるほど、後々の修繕費用も高くなります。
対策として、劣化・損傷に気づけば早めに手を打つことで、修繕費用も安くなります。
また、毎月家賃の5%程度を修繕積立金として蓄えておくことも重要です。
日頃のまめな点検、管理、積立が一番の対策です。
6-4.金利上昇リスク
金融緩和政策が続く中、低金利が続き金利上昇に対する警戒感が小さくなっています。
(変動金利等)
(出所:住宅金融支援機構)※8
しかし、金利が低金利のまま継続することはありません。
変動金利を選択した場合、少なくとも金利が4~5%になっても、アパートローンを返済でき、建物維持管理できる資金計画にする必要があります。
6-5.災害リスク
頻発する
・地震による振動・津波
・大型台風による強風・高潮
・豪雨による河川氾濫
などは、立地を選ばず来襲します。
日本国内であれば何れかの災害に遭遇し、毎年のように各地で甚大な被害が発生します。
特に危険な地域については、市区町村が、WEBサイトや冊子などでハザードマップを公表しています。
ハザードマップなどを参考にして、アパート建築もしくは購入する必要があります。
災害リスクの高い地域において、アパート経営をせざるを得ない場合は、災害対策用の保険に入ることなどが必須条件となります。
ハザードマップの具体例として、東京都江東5区(江東区・墨田区・江戸川区・葛飾区・足立区)の洪水浸水想定区域図を掲載します。
(出所:江東区)※9
これを見ますと、東京都江東5区では、アパート経営をしない方が、賢明であることがわかります。
7.まとめ
以上、
1.アパート経営の手順1:事前準備
2.アパート経営の手順2:アパート購入
3.アパート経営の手順3:アパート運営
4.アパート経営の手順4:アパート売却
5.アパート経営のメリット
6.アパート経営のリスクと対策
について解説しました。
アパート経営を始める事前の準備は、非常に大切です。
他の投資方法と異なり、投資金額が大きくなるため、アパートの新築もしくは購入に失敗しますと、取り返しのつかない事態になる可能性があります。
決して、不動産会社の言いなりには、決してならないようにする必要があります。
大半の不動産会社は、「売れれば良い」と考えています。
買い手の事情を考慮してアドバイスをしてくれる不動産会社は皆無であると考えておいた方が無難です。
自身で勉強しながら、先輩大家や成功大家のブログを参考にするなど、投資家目線で発言する人の意見を参考にし、アパート経営を始めるのが良策といえます。
8.参考・引用Webサイト
※1 「日本の市の人口順位」
ウィキペディア
※2 「賃貸経営 賃貸需要」
LIFULL HOME’S
https://toushi.homes.co.jp/owner/saitama/eki4625/
※3 「築年数から見た首都圏の不動産流通機構(2018年)」
公益財団法人東日本流通機構
http://www.reins.or.jp/pdf/trend/rt/rt_201902.pdf
※4 「収益物件を検索」
楽待
※5 「収益物件検索」
健美家
※6 「不動産投資」
LIFULL HOME’S
※7 「この設備があれば周辺相場より家賃が高くても入居が決まる」2021人気設備ランキング
全国賃貸住宅新聞
https://www.zenchin.com/news/content-27.php
※8 「民間金融機関の住宅ローン金利推移(変動金利等)」
住宅金融支援機構
https://www.flat35.com/loan/atoz/06.html
※9 「江東5区大規模水害ハザードマップ・江東5区大規模水害広域避難計画について」
江東区
https://www.city.koto.lg.jp/057101/bosai/bosai-top/topics/20180822.html
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